龍門石窟は世界文化遺産に登録されており、河南省洛陽にある観光スポットです。香山と龍門山の間にあり、伊河に面しています。中国三大石窟の一つであり、雲岡石窟・敦煌莫高窟と並ぶ貴重な仏教芸術の宝庫です。
洛陽龍門石窟の造営は、493年に北魏が洛陽へ遷都した後から唐代にかけて、約400年間続きました。現在、世界遺産龍門石窟には10万体以上の仏像、2,800の碑文、2,345の壁龕があり、中国石芸術の最高峰として認められています。また、中国龍門石窟には、芸術、音楽、宗教、書道などに関する貴重な歴史資料が数多く残されています。

龍門石窟ツアー

龍門石窟基本観光情報

所在地:中国河南省洛陽市龍門鎮龍門大道
世界遺産登録:2000年(ユネスコ世界文化遺産)

チケット料金
入場料:90元/人
※身長1.2m以下は無料です。

営業時間
08:00-19:00(入場終了:18:00; チケット販売終了:17:30)

観光の所要時間

一般的に、龍門石窟の観光には約2~3時間が必要です。ゆっくり鑑賞したい方は、半日ほど確保するのがおすすめです。

龍門石窟の見どころ

奉賢寺
奉賢寺は、龍門石窟の中で最大規模を誇る石窟であり、唐代に建立されました。全体の幅は約36メートル、奥行きは約41メートルで、中央には龍門石窟の代表的な仏像である盧舎那仏の巨大な石像が鎮座しています。この像は高さ17.14メートル、頭部だけで4メートルあり、穏やかな微笑をたたえた姿が印象的です。記録によると、この仏像の建立には則天武后も関与し、仏教の隆盛を象徴する作品とされています。

万仏洞
万仏洞は680年に造られた唐代の代表的な石窟で、内部には約15,000体の小仏像が刻まれていることからこの名がつけられました。洞窟内の壁には、54体の異なる姿の菩薩像が彫刻されており、中央には阿弥陀仏が蓮華座に安置されています。また、洞窟内の壁面には美しい楽師や舞踊の浮彫が施されており、当時の音楽や舞踊文化を今に伝えています。

古陽洞
古陽洞は龍門石窟の中で最も古い石窟であり、北魏時代に造営されました。洞窟の内部には三層の龕(仏像を安置するくぼみ)が並び、数百体の仏像が刻まれています。特に、仏像の横には建立した人物の名前や彫刻された年代が刻まれており、当時の仏教信仰や石窟彫刻の流れを知る上で貴重な資料となっています。また、「二十品」の魏碑書体の拓本が数多く残されており、書道史の観点からも重要な価値を持つ場所です。

賓陽洞
賓陽洞は北魏時代に皇室の命によって造営された石窟で、北洞・南洞・中洞の3つから構成されています。特に、中洞の完成までに23年もの歳月がかかったとされ、その規模の大きさがうかがえます。洞窟内には11体の仏像が安置されており、中央の釈迦如来像は荘厳で落ち着いた表情をたたえています。また、弟子や菩薩像は細身で優雅な姿をしており、北魏時代の仏像彫刻の特徴が色濃く反映されています。

蓮華洞
蓮華洞は、自然の洞窟を基に造られた石窟の一つで、洞窟の天井には巨大な蓮華の浮彫が施されています。蓮華の周囲には六体の飛天(天女のような存在)が彫刻されており、まるで音楽に合わせて舞っているかのような優雅な姿が特徴です。また、釈迦如来像は座像ではなく、立像で表現されており、これはインドから中国へと仏教が伝わる過程を象徴していると考えられています。

薬方洞
薬方洞は、龍門石窟の中でも特異な存在で、洞窟内の壁面には約140種類の古代中国の薬の処方が刻まれています。これらの処方には、漢方薬の調合方法や治療法が詳しく記されており、一部は現代の中医学でも応用されています。古代中国の医療の発展や当時の生活文化を知る上で、非常に貴重な史料となっています。

龍門石窟ツアー

龍門石窟へのアクセス

洛陽市内からのアクセス
市内から龍門石窟へは、以下の路線バスが利用可能です。
路線バス:53/K53、60/K60、71、81/K81、99/K99、167番のバスで「龍門石窟」バス停下車。

洛陽駅からのアクセス
路線バス:K81番バスに乗り、終点「龍門石窟」バス停で下車。
タクシー:所要時間約30分、料金は約35~40元。

洛陽龍門駅(高鉄駅)からのアクセス
路線バス:71番バスに乗り、「龍門石窟」バス停で下車。
タクシー:所要時間約10分、料金は約15元。

西安からのアクセス
高速鉄道:西安北駅から「洛陽龍門駅」まで高速鉄道(高鉄)で約1.5~2時間。到着後、上記の方法で龍門石窟へ。
鉄道:西安駅から洛陽駅までの列車を利用することも可能。洛陽駅到着後、バスやタクシーで龍門石窟へ移動。

北京からのアクセス
高速鉄道:北京西駅から「洛陽龍門駅」まで高速鉄道(高鉄)で約4時間。洛陽龍門駅到着後、バスまたはタクシーで龍門石窟へ。

龍門石窟ツアー

旅行のヒント

服装と靴:龍門石窟は広範囲にわたる観光スポットで、石段や坂道が多いため、歩きやすい靴と動きやすい服装をおすすめします。

訪問時間:混雑を避けるため、朝早い時間や夕方の訪問が理想的です。特に週末や祝日は観光客が多くなります。

気候対策:夏は暑く、冬は寒いので、季節に応じた服装を準備しましょう。日差しが強い日には帽子や日焼け止めを持参すると便利です。

写真撮影:フラッシュ撮影は禁止されている場所がありますので、館内の指示に従いましょう。

チケット購入:ピークシーズンにはチケット売り場が混雑するため、オンライン予約をおすすめします。

周辺観光:龍門石窟の近くには白馬寺や関林廟などの観光スポットもありますので、時間に余裕があれば併せて訪れるのも良いでしょう。

龍門石窟は、中国の壮大な歴史と仏教芸術の粋を集めた世界遺産です。約1,500年の歴史を持つこの石窟には、精巧な彫刻や荘厳な仏像が数多く残されており、訪れる人々を魅了し続けています。洛陽観光のハイライトとして、悠久の歴史と芸術の美しさを堪能できる龍門石窟をぜひ訪れてみてください。

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