
シルクロードの要衝・クチャ観光の見どころ、行き方、注意点
クチャは、新疆ウイグル自治区に位置する古代オアシス都市で、「亀茲(きじ)」の名でも知られています。かつてシルクロードの要衝として栄え、仏教文化や東西交流の中心地として重要な役割を果たしました。仏教僧・鳩摩羅什の出身地としても知られ、クムトラ千仏洞やキジル石窟などの仏教遺跡が多く残されており、中国旅行でシルクロードの歴史を感じられる貴重な場所です。新疆の豊かな民族文化と自然も魅力で、「歌舞の郷」と称されるほど音楽と舞踊が盛んで、西域文化の豊かさを今に伝えています。現在のクチャは歴史遺産と自然景観が融合した観光地として注目されており、シルクロードの旅に欠かせない魅力的な都市です。多くの旅行者を惹きつけています。
クチャ旧市街
クチャ旧市街は、新疆ウイグル自治区のクチャ市に位置する歴史ある街並みで、シルクロード沿いの文化と生活が色濃く残るエリアです。この地域はかつて「亀茲(きじ)」と呼ばれ、東西交易の要衝として栄えました。旧市街では、ウイグル族を中心とした伝統的な家屋やモスク、狭い路地が入り組む独特の景観が広がり、訪れる人々に古き良き時代の雰囲気を感じさせます。また、地元の市場では、香辛料や手工芸品などが並び、活気ある日常の様子を垣間見ることができます。クチャ旧市街は、中国旅行で新疆の多様な文化や歴史を体感できる貴重なスポットとして、多くの観光客に親しまれています。
キジル石窟
キジル石窟(キジルせっくつ)は、中国新疆ウイグル自治区クチャ市の西に位置する、中国最古級の仏教石窟群です。紀元3世紀頃から造営され始め、唐代まで続いたとされ、現在確認されている石窟は200以上にのぼります。
これらの石窟には、インドや中央アジアの影響を受けた初期仏教美術が色濃く反映されており、鮮やかな壁画や仏像が多数残されています。特に、飛天や説法図などの壁画は高い芸術的価値を持ち、敦煌の莫高窟と並び称される存在です。
シルクロードを通じて伝来した仏教文化を今に伝える重要な遺産であり、中国旅行で新疆・クチャを訪れるなら見逃せない歴史的観光地の一つです。
スバシ故城
スバシ故城は、中国新疆ウイグル自治区クチャ市の北、庫車川沿いに位置する古代仏教都市遺跡です。3世紀から8世紀頃にかけて繁栄し、当時の亀茲国の仏教中心地の一つでした。「スバシ」はウイグル語で「水の頭(源流)」を意味し、その名の通り川に沿った要地に築かれています。遺跡には、寺院跡や仏塔、僧院の基礎などが残っており、かつての壮大な仏教建築を偲ばせます。また、著名な仏教僧・鳩摩羅什が修行した地とも伝えられています。現在は風化が進んでいますが、荒涼とした風景の中に歴史の深さを感じられるスポットであり、シルクロードや中国仏教史に興味のある旅行者にとっては見逃せない場所です。
クチャの天気と気候
クチャは新疆ウイグル自治区に位置し、年間を通じて晴天が多く、降水量は非常に少ないのが特徴です。夏は非常に暑く、日中は40℃近くになることもありますが、朝晩は比較的涼しくなります。冬は寒さが厳しく、氷点下まで冷え込む日もあります。春と秋は短く、気温が穏やかで旅行には最適な季節です。年間を通して昼夜の寒暖差が大きいため、重ね着できる服装を準備するのが安心です。
クチャの交通とアクセス
クチャ市内にはバス路線は少なく観光客にとっては利用がやや不便のため、市内や周辺の観光地への移動には、タクシーやチャーター車の利用が一般的です。
クチャには「庫車龜茲空港」があり、市中心部から約38km南西に位置しており、主に新疆ウルムチとの間で定期便が運航されています。
鉄道では、クチャ駅は「南疆鉄道」の主要駅の一つで、ウルムチやカシュガル、トルファンなどと鉄道で結ばれています。
クチャ観光の注意事項
- クチャは昼夜の寒暖差が大きいため、重ね着できる服装が便利です。日差しが強いため、帽子や日焼け止めも忘れずに。
- 乾燥しているため、こまめな水分補給が必要です。ミネラルウォーターを常備しましょう。
- クチャはイスラム教徒が多く暮らす地域です。モスク訪問時や旧市街などでは露出の少ない服装や節度ある態度を心がけてください。
- 観光地は点在しており、公共交通が不便な場所もあるため、タクシーやチャーター車の利用がおすすめです。
- 風が強い日や乾燥した場所では砂ぼこりが舞うため、マスクやサングラスがあると便利です。