張掖市は中国甘粛省に位置し、シルクロードの重要な拠点として歴史的に栄えた都市です。特に有名なのは「張掖国家地質公園」で、赤や黄、緑など鮮やかな色彩の地層が広がり、中国のグランドキャニオンとも称される絶景スポットです。また、馬蹄寺や張掖大仏寺などの歴史的寺院や石窟も多く、仏教文化の遺産が豊富に残っています。他には古代の遺跡や木造の万寿寺木塔、鎮遠楼などもあり、歴史と自然が調和した観光地です。
張掖には多彩な見どころが集まり、中国観光の中で1日中に「大自然の奇跡」と「仏教遺跡」の両方を体験できる稀有な観光地です。

張掖丹霞地形公園

張掖丹霞地形公園(張掖国家地質公園)は、中国甘粛省張掖市に位置する世界的に有名な地質景観地です。祁連山北麓に広がるこの公園は、色鮮やかな砂岩が長年の風化と浸食によって形成した独特な地形で知られ、「中国の彩虹山」とも称されています。2005年に省級地質公園として設立され、2016年には国家地質公園に認定されました。また、2020年にはユネスコの世界地質公園にも登録されています。公園内には「七彩丹霞」や「冰溝丹霞」などの景勝地があり、赤や橙、黄など多彩な色彩の岩肌が織りなす景観は「東洋のグランドキャニオン」とも称され、訪れる人々を魅了します。映画やテレビドラマの撮影地としても人気があり、観光と撮影の名所として多くの人々に親しまれています。

張掖丹霞地形公園

大仏寺

張掖大仏寺は、中国甘粛省張掖市に位置する歴史的な仏教寺院で、西夏時代の1098年に建立されました。この寺院の最大の特徴は、全長約35メートルの巨大な涅槃仏像で、釈迦牟尼が安らかに横たわる姿を表現しています。この像は中国最大級の涅槃仏として知られ、マルコ・ポーロもその壮大さに驚嘆したと伝えられています。大仏殿は張掖最大の木造建築物で、宋代や元代の建築様式が取り入れられ、内部には仏教の教えや地元の伝承を描いた壁画やフレスコ画が施されています。また、寺院の背後には高さ33メートルのチベット仏教様式の土塔もあり、シルクロード沿いの文化交流の象徴として、多くの観光客や信仰者が訪れる名所となっています。

張掖大仏寺

馬蹄寺石窟群

馬蹄寺石窟群は、中国甘粛省張掖市にある歴史的な仏教石窟群で、シルクロードの重要な文化遺産の一つです。4世紀頃から掘られ始め、唐・宋・元・明代にかけて増築され、現在では70以上の石窟と数百体の仏像、壁画が残されています。代表的な見どころには、断崖に建つ「三十三天窟」や「千仏洞」があり、断崖絶壁に彫られた仏教建築が圧巻です。仏教芸術と自然が融合した神秘的な空間は、訪れる人々を魅了します。

馬蹄寺石窟群

張掖の天気と気候

張掖(ちょうえき)は中国甘粛省に位置し、典型的な大陸性気候を持つ地域です。四季がはっきりしており、年間の降水量が少なく、日照時間が豊富なのが特徴です。春(5~25℃)と秋(0~28℃)は気温が穏やかで観光に適しており、特に秋は丹霞地形が美しく映えるベストシーズンとされています。

張掖の交通状況

張掖は甘粛省西部に位置し、シルクロード沿いの交通の要所として発展してきました。バスや観光バスの運行も活発で、観光客向けの直通バス路線や研学旅行用の車両も充実しています。
アクセス面では、鉄道と航空が主な手段です。蘭州、西安、ウルムチなど主要都市とは高速鉄道で結ばれています。敦煌からは夜行寝台列車が利用可能です。張掖甘州空港からは北京、上海、成都、西安、蘭州など都市への国内線が運航されており、空路でも便利です。

張掖観光の注意事項

  • 標高が高く(1,400m~)、気候も乾燥の為、帽子・サングラス・日焼け止め、及び保湿クリームと水分補給に注意してください。
  • 寒暖差が大きい季節(昼夜で15℃以上の差がある場合も)は防寒対策が必要です。
  • 観光地は市街地から離れていることが多いため、事前に移動手段(タクシーやツアー車)の手配が望ましいです。
  • 一部の観光地は標高が高いため、体調管理に注意が必要です。無理な行動は避けましょう。
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