
玉門関・陽関:シルクロードの歴史を感じる古跡
歴史ある古代の関所跡、玉門関と陽関は、いずれも漢代に設置された国境を守る要塞で、敦煌市の西部に位置しています。これらの関所はシルクロードの重要な地点として、中国と西域を結ぶ軍事・交易の要衝でした。かつては多くの使者や商隊がここを通り、西方の異国へと旅立ちました。現在は遺跡として残り、訪れる人々に悠久の歴史と砂漠の壮大な風景を伝えています。
観光情報
♦玉門関
営業時間:9:00~17:00
入場料:20元+観光バス50元
所要時間:約2時間
♦陽関
営業時間:9:00~17:00
入場料:50元
所要時間:約1時間
見どころ
♦玉門関
小方盤城
玉門関そのものを指し、西漢時代の都尉府が置かれた場所で、現存する最も保存状態の良い漢代の土造りの遺跡です。四角い小さな城塞で、東西に広がるゴビ砂漠の細長い地帯に位置し、面積は約600平方メートルです。
河倉城
玉門関から約12km離れた場所にあり、2000年以上前に建てられた玉門関に駐屯する兵士のための食糧庫です。古代において玉門関より西側は穀物の栽培が難しいため、漢王朝はここに国家規模の穀物倉庫を築き、国境を守る兵士や往来する使者の食糧供給を確保していました。
漢代の長城の城壁
漢代の玉門関長城は、明代の万里の長城のように城壁上を人が歩いたり馬が走ったりできるものではなく、基本的には防壁としての役割を果たしていました。レンガではなく、現地の土や石を積み重ね、その間に葦やカヤなどの植物を挟むことで補強され、層を重ねて築かれています。
当谷燧
ここではかつて多くの漢簡が発掘されました。当時の見張り台跡のそばには、今でも数千年前の薪が残されており、国境を守る兵士たちの生活が目に浮かぶようです。その歴史的な重みを感じると、思わず胸が熱くなります。
♦陽関
漢代の烽火台
陽関遺跡に現存する数少ない歴史的遺構の一つで、かつて兵士たちはここで烽火を上げ、情報を伝達していました。風化した陽関の跡地に立つと、遥か昔のラクダの鈴の音や、行き交う商人や使者たちの姿が目に浮かび、歴史の重みを肌で感じることができます。
陽関大道
陽関を訪れたなら、ぜひ「陽関大道」を歩いてみましょう。この道は、かつての人々が西域への平安な旅路を願った象徴でもあります。特に夕暮れ時には、夕日に染まる壮大な風景が広がり、幻想的な雰囲気の中で写真撮影を楽しむことができます。
陽関博物館
陽関は、かつてシルクロードの重要な関所でした。この博物館では、シルクロードの繁栄と衰退の歴史を学ぶことができ、当時の交易や文化交流の様子を垣間見ることができます。
ベストシーズン
♦玉門関
5月から10月が最適な観光シーズンです。ここは典型的な極端に乾燥した大陸性気候で、風が強く、砂嵐が頻繁に発生します。
♦陽関
夏から秋が最適な観光シーズンです。この時期には、夕日が沈む際の陽関の美しい景色を堪能することができます。
旅行のヒント
♦陽関と玉門関は敦煌西線の観光地で、直接隣接していませんが、距離は比較的近いため、1日に訪れることができます。
♦景区内には補給所がないため、十分な水と食料を事前に準備することをおすすめします。
♦この地域は紫外線が強いため、日焼け止め対策をしっかりと行いましょう。
♦風砂が強いため、スカーフや帽子を持参することをおすすめします。
♦気温が上昇しているので、暑さを避けるために昼間の時間帯の訪問は避けるようにしましょう。
玉門関と陽関は、かつてシルクロードの要衝として栄えた歴史的な遺跡であり、古代中国と西域をつなぐ重要な役割を果たしました。荒涼とした砂漠の風景の中に佇むこれらの遺跡を訪れることで、遥か昔の交易や戦乱の歴史を肌で感じることができます。現在では、壮大な自然と歴史が融合した観光地として、多くの旅行者を魅了しています。敦煌を訪れた際は、ぜひ玉門関と陽関の悠久の歴史を体感し、シルクロードのロマンに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。